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悪魔の弁護人御子柴礼司ドラマ3話4話5話原作『恩讐の鎮魂歌』あらすじと結末ネタバレ予想

2019年12月スタートのオトナの土ドラ『悪魔の弁護人・御子柴礼司 ー贖罪の奏鳴曲(ソナタ) ー』

オトナの土ドラ『悪魔の弁護人・御子柴礼司』のビジュアル

公式サイト:https://www.tokai-tv.com/akumanobengonin/

オトナの土ドラ、2019年12月から始まるのは、要潤さん主演の『悪魔の弁護人・御子柴礼司 ー贖罪の奏鳴曲(ソナタ) ー』。(公式サイトはこちら

ドラマの原作は、中山七里の本格法廷ミステリー「御子柴礼司シリーズ」。以下の4冊です。

  • 贖罪の奏鳴曲(ソナタ)  (2011年12月)
  • 追憶の夜想曲(ノクターン)(2013年11月)
  • 恩讐の鎮魂曲(レクイエム)(2016年3月)
  • 悪徳の輪舞曲(ロンド)  (2018年3月)

ドラマの開始前に、原作のあらすじを知ったうえでドラマを楽しみたい人、ドラマを見た後に原作はどうなのか確認したい人のために、御子柴シリーズ3作目『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』の「あらすじ」を紹介します。ドラマでは第2章(3話4話5話)の原作になります。

また、原作との違いや、エピソード結末の予想もしたいと思います。

これから先は、原作小説のネタバレあらすじです。ドラマや原作小説をネタバレなしで純粋に楽しみたいならば、ここで読むのを止めてください。

特に、あなたがミステリー小説好きなら、こんなところで「あらすじ」を読んでいる場合ではありません!すぐに原作を読んで、巧みなストーリーに酔いしれ、どんでん返しを楽しんでください。

では、『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』のあらすじに進みましょう。

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『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』あらすじ

小説の紹介文とプロローグ

少年時代の凶悪犯罪が暴露され、悪評が拡散する弁護士・御子柴。勝率九割の敏腕も依頼者が激減、事務所移転を余儀なくされた。そんなとき少年院時代の教官が殺人容疑で逮捕され、御子柴は恩師の弁護を力尽くでもぎ取る。罪を自ら認める教官だったが、御子柴の弁護法廷は驚愕の展開に!

『恩讐の鎮魂曲』この小説は、海難事故の場面から始まります。海が荒れ、韓国籍の船・ブルーオーシャン号が沈没間近の状態。船内から船員の姿が見えなくなり、救命胴衣が不足していることが判明。乗客はパニックに陥ります。

そんな中、必死で救命胴衣を探している男が、船尾に若い女性を見つけます。救命胴衣を身に着けているが海に飛び込むのを躊躇している様子。男はこの女から救命胴衣を奪おうとします。「やめてくださいっ」と抵抗する女を殴り、動かなくなった女から、男は救命胴衣を奪い取ります。

船は大きく傾き、動かなくなった女は海へと落ちていきます。男は救命胴衣を着て海に飛び込み、その後、漁船に救助されました。

この様子を携帯電話で撮影していた人がいたため、後に動画が公開されると犯人探しが始まりました。救命胴衣の番号から男が誰であるかが割り出され、この男は逮捕されます。

裁判が始まると、弁護側は<緊急避難>による無罪を主張。これが認められ、男は無罪になりました。

恩師の犯罪

14歳の少年が、5歳の女児を殺害しバラバラにして、1日毎に頭部をポストの上、左脚を賽銭箱の上と置いて行った。マスコミに<死体配達人>と騒がれた『園部慎一郎(そのべしんいちろう)』。弁護士の<御子柴礼司>がその『園部慎一郎』だった。裁判中にこのことが明らかになり、法曹関係者のみならず、一般にも知られることになりました。

御子柴は、企業からの顧問弁護士契約を切られ、仕事は激減。御子柴は事務所の移転を余儀なくされました。仕事の依頼は、ほとんど暴力団関係者のみという状況です。

そんな中、御子柴が少年事件の後に過ごした医療少年院の恩師、稲見武雄(いなみたけお)教官が殺人を犯したという新聞記事を見つけます。入所していた特別養護老人ホーム『伯楽園(はくらくえん)』で、介護士の栃野守(とちのまもる)を口論の末、カッとなって鈍器で殴ったと供述しています。

恩師の弁護を思い立った御子柴は、稲見のいる警察署に向かいます。しかし、稲見は面会を拒否。担当は国選弁護人だという。御子柴は担当弁護士に会いに行き、代わってくれるよう頼みますが、断られます。そこでヤクザを使って弁護士を脅迫し、強引に担当弁護士になります。

※御子柴の医療少年院時代のエピソードについては、『贖罪の奏鳴曲』のあらすじ、御子柴の犯罪が知れ渡った経緯については『追憶の夜想曲』のあらすじを参照ください。

恩師との再会

前回は、稲見に面会を拒否されましたが、正式な担当弁護人になったため、御子柴は稲見に会えることになりました。28年ぶりに会う恩師は、《げっそりと削げ落ちた頬、頭頂部にわずかに残った白髪、そして子供のように縮んだ身体》別人かと疑うほどでしたが、太く一直線で厳つい眉だけは変わっていませんでした。

「よお。久しぶりだな、御子柴。いや、今は御子柴先生か」挨拶の後、稲見は『伯楽園』に入所したときに、まとまったお金を送ってきたのは御子柴かと問います。御子柴は否定しますが稲見は礼を言います。

御子柴は稲見に、供述調書は法廷で重要な証拠となるから、作成には注意するように伝えますが、稲見は聞き流すような態度。そして、「普段はどんな弁護をしているのか知らんが。俺に関してはそんな必要はない。だって俺が栃野を殺したのは事実だからな」と言った後、御子柴に事件について話しました。

稲見は、日頃から介護士の栃野がクズとかノロマだと罵ってきたり、車椅子でわざと段差のある場所を通ったり、配膳を遅らせたりされたことがストレスだったと言います。御子柴は、稲見がそれしきのことでカッとなって栃野を殺したことを疑問に思います。

弁護士として恩師を救いたい御子柴。しかし、稲見は普段から車椅子のハンドリムを回しているため、腕の力は十分にあり、凶器の花瓶には稲見の指紋、着衣には返り血があり、何人もの入居者が目撃者になっている。《どれもこれも不利な材料ばかりだ》御子柴はそう感じました。

事件現場『伯楽園』

御子柴は事件現場となった『伯楽園』を訪ねます。そこで事件があった時に現場にいた入居者に話を聞きます。御子柴は、かつていた少年院のように、『伯楽園』の入居者が恐怖という名の衣をまとっていることに気づきます。

事務所に戻った御子柴は、入居者から聞いた内容をまとめますが、稲見の供述と食い違っていることを不自然に感じ、恐怖から嘘をついているのではないかと推測します。

何かいい切り口がないかと考えていると、埼玉県警の渡瀬刑事から連絡があり、被害者の10年前の裁判記録を見て見るように言われます。調べてみると、被害者の栃野は、ブルーオーシャン号の事故で女性を殴って救命胴衣を奪ったが、<緊急避難>として無罪になっていたことが分かります。

※渡瀬刑事のエピソードについては『贖罪の奏鳴曲』のあらすじを参照ください

2度めの訪問

翌日、御子柴は再び『伯楽園』を訪れます。その時、施設長の角田(つのだ)が目に見えて緊張しているのを見て、御子柴は何者かが少年時代の犯罪を吹聴したことを確信します。入居者も御子柴の過去を知っていました。

御子柴は、殺された栃野が<ブルーオーシャン号事件>の被告であったことを知っていたかを確認します。施設長の角田や、入所者の久仁村兵吾(くにむらひょうご)は知らない様子。久仁村は唇の腫れており、本人は「転んでぶつけた」と言いますが、御子柴は何かを隠していると疑います。「写真を一枚、失礼します」久仁村が顔を隠す間もなく顔写真をとります。

同じ入居者でも後藤清次(ごとうせいじ)や臼田泰助(うすだたいすけ)は栃野の過去を知っていて栃野を恐れていたようでした。御子柴は入居者を威嚇するために栃野本人が話したのだと確信。後藤や臼田のシャツをめくると多くの痣や傷があり、御子柴は写真に収めます。

いつも花壇のところに座っていて、CDでクラシックを聴いている小笠原栄(おがさわらさかえ)夫人。御子柴の過去の犯罪を知っても恐れている様子はありません。小笠原夫人は栃野の過去を知らない様子。御子柴は<ブルーオーシャン号事件>のことを話すと顔を曇らせます。

御子柴が腕を拝見したいと言うと、小笠原夫人はうつむき加減で袖をまくります。そこには数箇所の痣があり、御子柴は写真を撮ります。「虐待、なんですね」小笠原夫人は肯定も否定もせずに、ここには監視カメラがあり「都合の悪い話をした者にはお仕置きが待っています」とだけ言いました。

第1回公判

第1回公判が始まり、御子柴は稲見の殺人について「殺意の不在を理由に」無罪を主張します。検察側が提出した証拠のほとんどには同意するが、供述調書は動機に捏造があるとして不同意を宣言します。捏造については次回公判で証明すると説明。検察側は懲役15年を求刑しました。

御子柴が次回の流れについて考えていると、突然、稲見が裁判長に発言を求めます「わたしは正常な精神状態の下、明確な殺意を持って栃野さんを殺害しました。わたしが罰を受けるのは当然です」「是非ともわたしを罰してください。お願いします」

公判後、弁護人の足を引っ張る被告人に御子柴は抗議しますが「悪いことをしたな。しかしこれは俺の信条なんでな」と稲見は答えます。

翌日、御子柴は『伯楽園』を訪ねます。施設長の角田に虐待の証拠写真を見せ、これが問題になれば、老人ホームの運営が困難になると脅して、監視カメラの記録ハードディスクを入手します。

その後、御子柴は稲見の別れた妻に会いに行き、そこで、稲見を救い出すための情報を手に入れます。《見つけた。こんなところに回答があったのだ》

第2回公判

第2回公判で、御子柴は『伯楽園』施設長の角田を証人に呼びます。御子柴が角田に栃野の勤務態度を尋ねると「気づきの行き届いた介護をする人でいした」と答えました。法廷にいる者たちは角田を、信頼できる職員を失った気の毒な責任者と見ていました。

しかし御子柴が、介護士による虐待を写した監視カメラの映像を再生すると、雰囲気が一変します。御子柴は角田に「…わたしの知らない場所で、そういうことがあったかも知れません」と虐待の事実を認めさせました。

2人目の証人は『伯楽園』入所者の久仁村でした。虐待が明らかになれば施設の存続が危うくなるという心配から、稲見から口止めされていましたが、虐待の事実が表沙汰になれば、稲見への気兼ねがなくなります。

久仁村は、特にひどい虐待をしていたのが栃野であったことを証言。そして栃野は、抵抗する稲見にはほとんど手を出さなかったこと、特に標的にされていたのが後藤という入居者だったと話しました。

更に久仁村は、栃野が<ブルーオーシャン号事件>で人を殺したことを言って後藤を脅していたこと。事件の日は、栃野が後藤を虐待しており、それを止めようとして稲見が栃野を殴ったことを証言します。

3人目の証人は、離婚した稲見の元妻。稲見との間には息子がいたが、ホームから線路に落ちた老人を助けて、本人は亡くなったこと。そして、その息子が助けた老人が虐待されていた<後藤>だったことを明らかにします。法廷には驚きが広がりました。

御子柴は、後藤が骨粗鬆症であったことを示し、息子が命がけで救った後藤を守ろうとした稲見の行為は<緊急避難>であったと弁護します。

御子柴が勝ちを意識した時、稲見はすっと手をあげます「裁判長。ひと言、言いたい」。そして、栃野が後藤を殴り始めた時、「俺は本気であいつを殺すつもりだった」と確実に殺意があったことを認めてしまいました。

第2回公判後

稲見の2度目の反抗に、御子柴は「少しは協力してくれ」と文句を言いますが、稲見は「協力する」とは言ったものの「きっちりと責任を取りたい」と主義を変えるつもりはないことを告げました。また、後藤と同じ老人ホームにいたのは偶然ではなく、テレビで『伯楽園』が放送された時、後藤の姿を見たため入所を決めたことを話します。

その後、御子柴は、ブルーオーシャン号の事故で救命胴衣を奪われた被害者、日浦佳織(ひうらかおり)の父親に会いに行きました。佳織の母親は元々子宮がんだったが、栃野の無罪判決が確定してから急に具合が悪くなって亡くなったのだという。

佳織の父親は、娘を殺した男が無罪になったことの悔しさを語り、「どうせなら、わしがこの手であいつを殺したかった」とまで言っています。

御子柴が、佳織さんを大事に思い、栃野を恨んでいた人は誰かを尋ねると、佳織の父親は、全然知らないといい、アルバムを持ってきます。《ここから新情報を得られる確率は皆無に等しい》と思いながらアルバムを見る御子柴の目は、その中の1枚の写真に釘付けになります。《とうとう見つけた》

最終弁論

最終弁論の日、御子柴が最後の証人として呼んだのは小笠原夫人でした。御子柴は小笠原夫人から、『伯楽園』で介護士による虐待が日常化していたこと、被害者の栃野が一番虐待していたのが後藤であったという証言を引き出しました。

そして、女性なので介護士に立ち向かうことができなかったという小笠原夫人に、「あなたは誰にも助力を求めなかったのですか」と御子柴は威圧するように言いますが、小笠原夫人は答えません。検事から恫喝しているという異議が入ります。

そこで御子柴は質問を変え、栃野がブルーオーシャン号事件の被告だったことを知っていたかを問います。小笠原夫人が「はい」と答えると、スクリーンに事件の記事を映し出します。被害者の日浦佳織の顔写真が掲載されています。次に、日浦の家で発見した写真を写しました。佳織の18歳の誕生パーティの写真です。

そこには佳織の両親とともに、母方の祖母、小笠原夫人が写っていました。小笠原夫人はそれが自分であることを認め、『伯楽園』に入る前から、テレビのニュースを見て、栃野が『伯楽園』で働いていることを知っていたと証言しました。

御子柴は「栃野の暴力から後藤さんを護ってくれと被告人に頼みましたか」と質問します。小笠原夫人は「…記憶に、ございません」と回答。御子柴は、彼女が孫娘の仇を討つために、稲見を焚き付けたと裁判員に強く印象づけられたので《これでいい》と思います。

最後に証言を求められた稲見は、御子柴に礼を言います。御子柴を「自慢できる」優秀な弁護士だと語りながらも「私にはやはり罰を与えてほしい」と訴え、明確な殺意があったことを強調しました。御子柴は やめろ と叫びそうになりますが、稲見を止めることはできません。

裁判後

裁判後、御子柴は『伯楽園』へ小笠原夫人に会いに行きます。御子柴は『後藤を護ってくれと被告人に頼まなかったか』という問の答えを聞きたいと迫ります。小笠原夫人は、稲見に言ったことは『どうか後藤さんを護ってやってちょうだい』だけだったと告白。

小笠原夫人は、最初に見たときから、稲見に復讐の代行を託すことを決めており、栃野が後藤さんを虐待する場面を見せるか、告げ口し、稲見の正義感に火がついて、爆発するのを待っていたことを話しました。「そしてある日、稲見さんは見事にわたしの期待に応えてくれました」

「わたしのしたことはどんな法律を犯しているんでしょう」という小笠原夫人の質問に、御子柴は「どんな法律にも抵触していませんよ。教唆にさえなりません。」と答えます。

判決

稲見には懲役6年の実刑判決が下ります。裁判後、納得できない御子柴は稲見に「即日控訴をする」と言いますが、稲見は拒否します。「俺は控訴しない。一審の判決に従う。だから、お前の出番はもうない」

稲見が一度言い出したら聞かない性分なのを知っている御子柴は、稲見の気持ちを変えさせるため、この件は小笠原夫人が仕組んだことだと告げます。しかし、稲見は「そんなことハナっから知ってるよ」と言い、「俺のしたことは彼女の復讐とは全く関係ない」と断言。しかも「彼女が栃野の殺したお嬢さんの身内じゃないかってのは、俺も薄々気づいていた」と告げます。

驚く御子柴に、稲見は説明します。稲見はテレビで見た<ブルーオーシャン号の事件>被害者の葬儀に絶えず流れていた曲が、小笠原夫人がいつも花壇の前で聴いていた曲と同じ、モーツアルトの<レクイエム>だったこと。しかも、小笠原夫人は被害者の日浦佳織さんと目元がよく似ていたこと。

稲見は一度、小笠原夫人にどうしてその曲ばかり聴くのかを訪ねたことがあり、この曲は孫のお気に入りの曲だという答えに、小笠原夫人の執念を知ったということでした。

「俺のしたことはあなたの役にたたなかった」という御子柴に「お前の贖罪の仕方と俺の贖罪の仕方が違っていただけの話だ。そう深刻に考えるな」「ありがとよ、御子柴先生」それが最後の言葉でした。

エピローグ

裁判を終え事務所に戻った御子柴。稲見の無罪を勝ち取ることができなかった。孫の復讐を遂げた小笠原夫人は、法律ではなんの罪にも問われない。御子柴は法律と弁護士の限界を感じて絶望。不意に何もかもどうでも良くなり、弁護士を辞めることまで考えます。《お前なら弁護士以外にも途はある。院生時代に学習した悪事で飯は食えるはずだ》

そんな事を考えていると、事務員の洋子から一通の手紙が渡されます。かつて弁護した依頼人の8歳になる娘、倫子からの手紙でした。手紙には、親戚の家にいて元気だという報告、そして、テレビで御子柴を見たという内容でした。

「わるいことをしていない人を助けようとする先生は、やっぱりいい先生だと思います。ずっとずっとおうえんしています。わたしも大きくなったら、先生みたいなべんごしになりたいとおもいます。がんばってね」御子柴はしばらく文面に見入っていましたが、やがて文字がぼんやり滲んできました。

※倫子に関するエピソードは、『追憶の夜想曲』のあらすじを参照ください。

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ドラマ第3話『恩讐』のネタバレ

前回の記事で、御子柴が刺される事件を稲見教官の事件前に持ってきたのは、すぐに事件が起こる不自然さを避けるためと予想しましたが、別の狙いがあったようです。

病院で意識が戻った御子柴は、入院中に恩師・稲見の殺人事件を知り、怪我が治っていない状態で、病院を抜け出して稲見の弁護をすべく活動を始めます。この設定により、御子柴の恩師への思いが強く伝わってきます。

御子柴は、ヤクザを使って国選弁護人の宝来弁護士から稲見の弁護を奪い取りました。稲見に接見した御子柴は事件の状況を確認します。老人ホームの食事の時間、稲見は介護士の栃野と口論になり、近くにあった花瓶での頭を殴って殺害。稲見の衣服には被害者の返り値が付着していた。

「状況は最悪だな」という御子柴に対して、稲見は「当然だ。俺が殺したんだからな」「どんな人間にも償う権利がある。俺がお前にそう教えた。教えたからには、きちんと罰を受け入れる」と覚悟を示します。

御子柴は、老人ホーム『伯楽園』を尋ね、事件を目撃した入居者の証言が各々違っていることに違和感を覚え、また、入居者の身体に痣(あざ)があることを発見し、写真を撮ります。

原作通りの展開ですが、御子柴は事務員の洋子に「あの人はわたしを人間にしてくれた。わたしを救ってくれたんだ。今度はわたしの番だ、あの人を救うのは。じゃなきゃ弁護士になった意味がない」と言います。ドラマでは御子柴の信条を分かりやすく提示してくれます。

第一回公判。御子柴は稲見の無罪を主張しますが、稲見はどうしてもひとこと言いたいとして「罪を犯した以上、わたしに罰を与えてください」と発言します。

今回、ドラマ1話2話の被告の娘、倫子が再び登場しました。御子柴先生は「優しい」と言う倫子。原作では稲見を無罪にできずに絶望した御子柴が、倫子の手紙によって救われますが、ドラマでは直接の会話で御子柴を救うのではないでしょうか。

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ドラマ第4話『罪人』のネタバレと結末予想

公判で「私に罰を与えてください」と発言した稲見に抗議する御子柴。「あんたには、あんたが死んで悲しむ人間はいないのか」という言葉に稲見は「お前の口らかそういう言葉が出てくるとはな。雷也のことがお前をそうも変えてくれたか」と返します。

原作では、俺の指導も無駄ではなかったという発言でしたが、御子柴が医療少年院時代に出会った<嘘崎雷也(うそざきらいや)>関した発言になっています。

その後、ドラマのほとんどの時間が小説『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』(あらすじはこちら)の、御子柴が5歳の少女<佐原みどり>を殺したことで送られた、医療少年院時代の話が展開されます。ここは、原作から設定がいくつか変わっていました。

原作は、御子柴が人間の心を取り戻すきっかけとなったのは<島津さゆり>という少女の『ベートーヴェン・ピアノソナタ<情熱>』演奏でした。これが、嘘崎雷也の母親の好きな曲という設定に変わっています。また、御子柴が脱走を手助けした<夏本次郎>は登場せず、雷也のエピソードになりました。

雷也の脱走を止めようとした稲見の背中を御子柴が刺し、稲見は半身不随になり、脱走した雷也は交通事故で死亡。結果的に雷也を殺してしまったことに涙する御子柴に、稲見は言います。「お前が嘘崎を思うように、佐原みどりにも大切に思う人間が沢山いた」そして「お前には感情がある、悪魔でも獣ではない」

死刑にして気が済むなら殺せという御子柴に、稲見は訴えます「償え」「お前は死ぬまで自分の犯した罪と向き合い闘え。そして最後の日が来るまでそれを背負って生きろ」「だが、勘違いするな。罪を償うのは義務じゃない、罪人に許された権利だ」

御子柴の過去のエピソードを雷也の死と稲見教官との関係に絞ったことで、御子柴が「人間になった」きっかけがストレートに伝わり、非常に感動的な場面になった気がします。

ドラマの終盤で、被害者の栃野の<ブルーオーシャン号事件>の被告だったことが明らかになります。稲見の裁判については原作通りの内容が提示されているので、稲見の犯行が虐待された老人ホームの入居者の命を守るためのものだと証明するも、稲見の「罰を与えてください」の宣言で有罪になるという、原作通りの結末になるのでしょう。

今回、原作にはない展開で、稲見は自分の意に反して無罪にしようとする御子柴を解任し、事務員の洋子に説得されて再び御子柴に弁護を依頼します。原作では、恩師を無罪にできずに絶望した御子柴を救うのは倫子でしたが、洋子の言葉に救われる展開になるかも知れません。

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ドラマ第5話『呪縛』のネタバレと結末

今回は、稲見教官の殺人事件の解決編。ほぼ原作通りの展開になりました。第2回公判で御子柴は、<ブルーオーシャン号沈没事故>で自分の命を守るために、若い女性をの救命道を奪い死亡させた男が、被害者の栃野であることを提示。栃野が「緊急避難」で無罪になったことを話し、稲見も「緊急避難」での無罪を主張します。

御子柴は証人として『伯楽園』入所者の久仁村を呼びます。久仁村は、栃野が入所者に虐待をしていたこと、そして、事件の時は栃野が入居者の後藤を殴っており、あのままでは死んでいたと証言しました。それを受けて御子柴は、稲見の行為が「後藤さんの命を救うために仕方のない緊急避難だったのです」と改めて主張します。

第3回公判で御子柴が証人として呼んだのは、別れた妻の恭子でした。恭子は、稲見の一人息子が、交差点で倒れた老人を助けて亡くなったと話します。そして助けた老人が虐待を受けていた後藤さんだったことを証言します。御子柴は、稲見が一人息子の助けた命を助けるための行動であったことを強調しました。

次に御子柴は、稲見の殺意を否定するため、入居者の女性・小笠原を証人に呼びます。小笠原は<ブルーオーシャン号事件>被害者の祖母であることを明かし、孫を殺し、のうのうと行きている栃野を許せないと語ります。そして、後藤を護ってくれるよう稲見に何度も何度も頼んだことを証言しました。

御子柴の必死の弁護にも関わらず、稲見は「懲役六年」の実刑判決。御子柴は控訴を主張しますが、稲見は拒否。「あんたを救いたいんだお願いだ」という御子柴に「お前が本当に救いたいのは、お前自身だろ」「遺族というのは何年立っても傷は癒えない。お前はなんの理由もなく、その子供の生命を奪った」「一生償え、俺もこの先、一生償う」と諭しました。

前回、前々回の予想で、稲見の無罪を勝ち取れず絶望した御子柴を救うのは、倫子か洋子ではないかと予想しましたが、御子柴の救いのシーンはありませんでした。ドラマでは、犯した罪は生涯かけて償い続けるしかないという「贖罪」のテーマをより強調した展開になっていると思います。

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まとめ

  • 御子柴は、医療少年院時代の恩師、稲見教官が殺人を犯したことを知り、強引に担当弁護士に就任した。
  • 事件は、稲見が入居している特別養護老人ホーム『伯楽園』で、介護士の栃野と口論の末、花瓶で殴り殺したというもの。
  • 稲見は罪を認めており、目撃者もいる。凶器の花瓶には稲見の指紋がついており、御子柴は、不利な証拠ばかりだと感じる。
  • 御子柴は裁判で、虐待さていた入居者の後藤を助けようとした行為であることを明らかにし、これが<緊急避難>にあたり、無罪であると主張。
  • しかし、稲見は自ら「殺意があった」ことを認め「罰を与えてほしい」と申し出た。
  • 稲見には懲役6年の判決が下り、稲見は控訴ぜずに判決を受けれた。

少年時代の犯罪の贖罪として、恩師への恩返しをしたいと願う御子柴。息子が命がけで護った人を助けるためとはいえ、罪を犯してしまい、贖罪を求める稲見。お互いの立場を理解しながら、反抗する二人の気持ちがドラマでどう描かれるのか。注目したいと思います。

以上、「悪魔の弁護人 御子柴礼司ドラマ3話4話原作『恩讐の鎮魂歌』あらすじと結末ネタバレ予想」でした。

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