2020年2月スタートのオトナの土ドラ『パパがも一度恋をした』
オトナの土ドラ、2020年2月から始まるのは、小澤征悦さん主演の『パパがも一度恋をした』(公式サイトはこちら)塚地武雅さんと本上まなみさんが二人一役を演じます。
「オトナの土ドラ」シリーズでは、24作目にして初のコメディ作品。原作は阿部潤さんの同名漫画『パパがも一度恋をした』(全7巻)です。
「ある日死んだママが、おっさんの姿で帰ってきた」という、とんでもないストーリーに、「最後はどうなっちゃうの?」と気になってしょうがない人のために、原作漫画の結末をお伝えします。
これから先は、原作マンガのネタバレあらすじです。ドラマや原作漫画をネタバレなしで純粋に楽しみたいならば、ここで読むのを止めてください。
特に この漫画は、ほのぼのとした絵柄があって持ち味が出るストーリーです。また、すべてのエピソードはラストシーンのための前フリとも言えるので、こんなところであらすじを読むのではなく、できれば原作漫画を最初から読むことをお勧めします。
では、漫画『パパがも一度恋をした』結末の あらすじに進みたいと思います。
全体のあらすじ
山下吾郎(38)は、最愛の妻・多恵子が亡くなって以来、ショックのあまり丸3年間ひきこもり生活をしていた。そんな吾郎のもとに、ある雪の日、雷鳴と共に、多恵子が生き返ってきた。ーただし、見知らぬおっさんの姿で。
最初はそのおっさんが多恵子だなどと とても信じられなかった吾郎だが、あまりにも言動や仕草が生前の多恵子とよく似ているために、徐々に「おっさん=多恵子」と信じはじめる。人目をしのんで家庭内文通したり、己の美醜の価値観を変えたりしながら、じっくりと愛を育んできた2人。
おっさん姿の多恵子を警戒していた娘・トモも、すっかり「おっさん多恵子=多恵子」と信じるようになり、母と娘の時間も再び動き出した山下家。しかし、重大な変化の時が近づいていて…!!?
『パパがも一度恋をした』7巻 冒頭の「story」より
Chapter 117『五郎の祈り』
おっさん多恵子にベタベタするだけで、いっこうに働こうとしない吾郎。トモは「少しは家族のために 何かするとかないかな…」と言いますが、吾郎は全く気にしていない様子。
そんな吾郎ですが、トモが道を歩いてると、近所の犬を預かって散歩させている吾郎を見かけます。「あれって まさか…パパの考えたお仕事…」その日の報酬は150円。子供のお小遣い並ですが、「まぁでも、ああしてお金貯めて、ママにプレゼントでも買うならいっか」トモはそれでも嬉しくなります。
しかし、吾郎は貰ったお金で早速、かまぼこを買って食べています。残りはちぎって公園の鯉に餌やりです。「パパって…まさか毎日 こ…こんなことしてるの…?」「少しでもパパに期待した私がバカでした…」
次の日の早朝、トモは吾郎が出かけていくのに気づきます。ついていくと行き先は神社でした。そこには、かまぼこの板で作った絵馬。『もっともっと多恵子が俺を好きになってくれますように。吾郎』
その他にも『おじさんだけど愛せますように』『トモが多恵子をお母さんと認めますように』『多恵子とトモが仲よくなりますように』など、かまぼこ板の絵馬がたくさん下がっています。「仕事もしないで ぐぅたら なのに…こんなのばっかり一生懸命なんだから。」
そんな吾郎のもとに多恵子からメールが届きます「吾郎さん、今、原宿にいるのですが、よかったら来ませんか?」喜び勇んで出かけて行く吾郎。
若者みたいなデートを楽しんだ後、多恵子は泣きながら吾郎にこう言います。「吾郎さん…私…実は大事なお話が…あるんです…」
Chapter 118『神様、もう少しだけ』
無言で公園のブランコに座る吾郎と多恵子。「ところで多恵子…大事な話って…?」吾郎が切り出すと、多恵子は寂しそうに言います「実は…さよなら…しなくてはいけません。」「私…天国へ、帰ります。」それを聞いた吾郎は「そんな話やだー!!!聞きたくないよー!!!」と叫びその場を走り去ってしまいます。
その話を聞いたトモは「パパは…どうなっちゃうんだろう…」と心配します。吾郎は、ひとり夕焼けの空を眺めています。「多恵子…ずっと ずっと…一緒にいようって約束したのに…多恵子…」
心配そうに吾郎を探し回る多恵子。人混みの中で吾郎を見つけ思わず駆け寄ります。しばらく見つめ合う吾郎と多恵子。そして二人は人目も気にせず号泣します。
Chapter 119『奇跡のふたり』
多恵子は吾郎やトモたちの前で「天国の話」を始めます。「そこは…生きていた頃のことを忘れてしまうほど…すべての願いが叶い、幸せに暮らせる夢の世界でした…でも…私の気持ちはずっと…晴れなくて…そしたら、ある日突然、神様が現れたの」
吾郎のことが心配で、3年間も下界を眺め続ける多恵子に、神様は「いっちょ外界へ戻るかい…?」と提案。遺書を書いて死のうとしている悪そうな男を見つけた神様は、「ほうほう、ちょうどいいのがおったわ」と多恵子の魂をその男の中に入れます。
「じゃあ いってらっしゃい」おっさんの姿になった多恵子を下界へ送り出す神様。「えっ!?この体でですか!?ま…待ってください!!」多恵子が抗議するも、「期限は1年じゃからなー」と下界へ戻してしまいます。あと1週間で1年なので、期限は残り1週間しかありません。
残り少ない日々、吾郎は多恵子の日常をビデオに収めようとしますが、思いとどまります「やっぱ…残しておく必要なんてないか…」「だって 忘れようとしたって、忘れるわけないんだから。」
Chapter 120『涙の誓い』
吾郎のいとこ<トカちゃん>が結婚することになり、吾郎の家で結婚パーティーをするといって押しかけてきました。「困るよトカちゃん。今、それどころじゃないっていうか…」吾郎は断りますが、トカちゃんは強引に結婚パーティーを進めます。
結婚の誓いの言葉が終わり、トカちゃんは吾郎に婚姻届の保証人のサインを求めます。「ごめん、トカちゃん…オレ…今…そういう気持ちになれなくて…」吾郎はそう言ってサインを拒みました。
トカちゃんは叫びます。「吾郎ちゃんじゃなけりゃダメなんだよ!!」「くよくよなんか、あとですりゃいいだろ」「いつもみたいに…多恵子と宇宙一の夫婦を見せつけてくれよ!!」「多恵子がいなくなっちまったら…もう 見せられないんだぜ!!」
その言葉を聞き、吾郎は結婚届けにサインをしました「オレたちみたいな宇宙一の夫婦になってください。」
その夜、縁側に一人たたずむ多恵子。吾郎が声をかけます「まだ起きてたのかい?」「ちょっと眠れなくて…よかったですね…今日の結婚式。やっぱり結婚ていいな…」そう言う多恵子に指輪を差し出す吾郎。指輪を多恵子に指にはめながら言いました「オレ、山下吾郎は 妻 多恵子を 生涯を越えて…天国へ行っても銀河一愛することを誓います。」
Chapter 121『娘の使命』
「吾郎さん。私やっぱり天国に帰らなくてもいいことになりました」多恵子の言葉に喜ぶ吾郎「ほ…本当か多恵子ー!!」しかしこれは吾郎の見た夢でした。「もう一度見たい…今の夢…」夢の中へ逃げ込む吾郎を見て、トモは「パパのためにもママを帰らせない方法、考えなきゃ…」と思います。
そんな時、多恵子はトモを買い物に誘います。「じゃあオレも行く」という吾郎に「ごめんなさい…今日はトモと二人で行きたいんです。」と断り、多恵子はトモと二人で買い物に出かけました。
トモの高校の制服を買ってあげる多恵子。制服に着替えたトモを見て「トモ、急におとなになった見たい」と喜びますが、「ごめんね…ずっとそばで見てあげられなくて…」と涙を浮かべます。
家に帰り、トモに手料理「多恵子汁」を伝授する多恵子。「うん、おいしい。これならパパも…」太鼓判を押す多恵子にトモは言います。「私のじゃパパ、満足しないと思うし…」「ママ、本当に帰らなきゃダメなの?」
「私…やだよ!!もう おじさんのままでも なんでもいいから…ずっとここにいてよ!ママ…!!」号泣するトモの頭にそっと手を置く多恵子。泣いていたトモですが、突然こう言います。「なーんて冗談だって!パパのことなら私がなんとかするし。」多恵子が「今日は一緒に寝よっかトモ」と言うとトモは黙ってうなずきます。
「ママのせいで、しっかり者の強い子にさせてしまって ごめんね…」寝息を立てているトモを、やさしくトントンと叩く多恵子。突然、布団が持ち上がります。吾郎でした。「オレも…入れてくれよ。」その夜は3人で寝ることになりました。
Chapter 122『サヨナラめぐり』
「いよいよ…明日か……」空を見上げてつぶやくトモ。吾郎はテキパキと掃除や洗濯をしています。トモは、ママが安心して天国へ帰れるように頑張っているように思いましたが、「オレ…こんなに改心してますよ。見てますか?神様…」神様にいいとこ見せてママが帰らなくて済むかもっていう作戦でした。
その日は、多恵子の実家に挨拶に行き、多恵子の中学時代の同級生、親友のえみこちゃんと会い、別れを惜しみました。
その後、吾郎と多恵子は二人でスカイツリーに行きます。「まさか…スカイツリーに登れるなんて…」喜ぶ多恵子を見ながら、吾郎は悔やみます。「こんなことなら、もっと早く…人目なんか気にしないで…おっさんの多恵子を思いっきり大事にすればよかった…」吾郎は多恵子を抱きしめて「多恵子ー!!!愛してるよー!!」と叫びます。
家に戻った多恵子は、トモにお土産のスカイツリーのキーホルダーを渡します。「それ、パパとおそろいだからね。」「こんなことしたら、パパまたママのこと思い出しちゃうんじゃない?」とトモは心配しますが、「大丈夫…ぜったい思い出さないから。」多恵子は断言します。
「実はね…吾郎さんから私の記憶を…全部消して帰るから…神様にそう言われているの…」驚くトモに、多恵子はこう付け加えます「このことは、パパには内緒ね」しかし、後ろに吾郎が立っており、全てを聞かれてしまいました。「オレ…や…やだよ…多恵子のこと…忘れるなんて…やだよ…」吾郎は家を飛び出してしまいます。
Chapter 123『さよなら最愛の人』
「ただいまー」多恵子の記憶を消されると聞いて家を飛び出した吾郎ですが、翌朝、あっさり戻ってきます。「やっぱり…最後の瞬間まで少しでも長く一緒にいたいから。」
吾郎と多恵子、そしてトモは3人で遊園地に行きます。久しぶりの遊園地を楽しむ3人ですが、残り時間が気になります。残り30分となり、吾郎が提案します。「よし、そろそろ観覧車乗ろうか。」「あの中なら…家族3人になれるだろ?」
観覧車の中で押し黙る3人。トモが口火を切ります「ママが帰ってきた頃、思い出しちゃうな…パパ最初、ママのこと全然信じてなくって。」「でも最初に こんなおじさんママだと思えたパパって…やっぱりすごいと思うよ。」多恵子はトモに言います「そんなパパのこと、しっかりお願いね…」
残り時間がわずかとなり、吾郎から記憶を消そうとする多恵子。「やっぱ待って!!」吾郎はそれを止めると「多恵子ありがとう!!」「いつもきれいに洗濯してくれてありがとう!」「オレが大好きな寝顔を見せてくれてありがとう!」「天使でいてくれてありがとう!」「好きでいさせてくれてありがとう!」……思いつく限りのお礼を言います。
そして「も一度帰ってきてくれてありがとう。多恵子…」吾郎は多恵子の手を握りしめます。
「吾郎さん…毎日毎日、口にしてしまいそうで…大変でしたよ。記憶を消す最後の呪文…」そう言って多恵子は<呪文>を言います「愛してます…吾郎さん。」あたりが光りに包まれ、一瞬、元の多恵子の姿が現れ、また、おっさんに戻りました「手ぇ…どけろや」
「なんでオレ… 泣いてるんだ?」「知らない へんなおじさんもいるし」すっかり多恵子の記憶をなくした吾郎でした。
Chapter 124『何度でも』
1年後、多恵子のことを忘れてしまった吾郎は穏やかに生活しています。昔の多恵子やおっさん多恵子の写真を見せても「どこの美人さんとおっさんかな?」という反応。
そんな吾郎がマンガを買いに出かけた時、おっさん多恵子に出会います。思わず抱きしめる吾郎。あれ…?こ…この感じ…どこかで…!?た…多恵子。吾郎の目から涙があふれます「オレなんでこんな大事なこと忘れてたんだよー!!ごめんよー!!多恵子ー!!」
「貴様、いつまでそうしているつもりだ?」おっさんの言葉に我に返る吾郎。「イヤ、そうだなよな…この人は『外の人』であって…多恵子の魂は天国だからコレはもう多恵子じゃなくて!!ただのおじさんだった…」泣きながらも、吾郎はおっさんとメアド交換をします。
家に戻り、部屋に引きこもる吾郎、「パパ…ママのこと思い出したみたいだけど…これじゃあ ふりだし だよ…」トモは心配でしょうがありません。
「ダメだな…オレは、ほんとダメだ…」一人、部屋の中で、吾郎は月を見ながら涙ながらに語りかけます「オレのために…おっさんの姿になってまで…帰ってきてくれたんだよな?多恵子…」
「おはよう」翌朝、吾郎はトモの前に<仕事着>で現れます。「多恵子にこれ以上、心配かけられないだろ?」
10年後、トモは結婚しました。結婚式の後、トモは亡き母に語りかけます。パパがあれ以来、毎日真面目に働いていること。パパが、ママの『外の人』だった おっさん と、なぜか茶飲み友達になったこと。そして、自分が結婚したこと。「ママにも見せたかったな私の…」「…って、どうせ どこかで見てくれてるんでしょ?」
結婚式の2次会の前、トモは吾郎がいないことに気づきます。ママの墓参りに行っているとのこと。「ママが亡くなってから、お墓だけは一度も行けなかったのに…パパやっと…ママのこと…」
墓の前で、しばらく空をじっと見つめる吾郎。その目には涙が浮かんでいます。やがて、吾郎は帰り支度を始め、再び空を見上げてつぶやきます「オレが100歳まで生きたとして、あと50年…」「遠距離恋愛みたいなもんだな。」
まとめ
- 3年前に妻・多恵子を亡くした後、引きこもりだった吾郎の元へ多恵子がおっさんの姿で現れる。最初は信じられなかった吾郎と娘のトモだったが、やがておっさんが多恵子だと認めるようになる。
- ある日、多恵子は天国へ帰らなければならないと告白。しかも、その時に吾郎から多恵子の記憶を消さなければならない。
- 最後の日、吾郎、多恵子、トモの3人は遊園地に行き、観覧車に乗る。「も一度帰ってきてくれてありがとう。多恵子…」吾郎は多恵子にお礼を言うと、多恵子は吾郎に自分の記憶を消す呪文を言った。
- 1年後、多恵子の「外の人」だったおっさんを見かけた吾郎は、多恵子の記憶を取り戻す。部屋に引きこもって泣いた吾郎だったが、翌日から働き始める。
- 10年後トモは結婚し、吾郎は多恵子の墓の前で空を見上げてつぶやいた「遠距離恋愛みたいなもんだな。」
漫画『パパがも一度恋をした』が実写ドラマ化されることになり、ネット上では「このマンガ大好き!」「ラストで泣いてしまった」と原作漫画のファンからの声が上がりました。
原作のように、最後、多恵子の魂は天国に帰っていくことになるのでしょうが、このドラマが「泣ける」コメディになるかどうかは、塚地武雅さん演じる「おっさん多恵子」が本上まなみさん「多恵子」に見えるかどうかにかかっています。
毎回、作り込んだドラマを届けてくれる「大人の土ドラ」シリーズ。『パパがも一度恋をした』も、脚本・演出・俳優さんたちの演技で、泣かせてくれるドラマになることを期待しています。
以上、「パパがも一度恋をした ドラマ原作漫画 涙の最終回までネタバレあらすじ」でした。