『Seventeen』専属モデルを卒業し、新たなステージに進む広瀬すずさん。『ミスセブンティーン』に選ばれてモデルデビューしたのが、2012年。写真からも、美少女モデルから大人の女優に変わった、という感じがします。
そんな、広瀬すずさん。「朝ドラ」こと、NHKの連続テレビ小説『なつぞら』のヒロインに選出されました。NHK朝ドラのヒロインはオーディションで選ばれることが多いですが、広瀬すずさんは直接のオファーだったそうです。これはなぜでしょうか?脚本家の意向だったのでしょうか?
今回は、記念すべき100回記念の「朝ドラ」だそうですが、ネット上では「広瀬すずさんが嫌いだから見ない」という声もあります。どういうことでしょう?確認してみましょう。
広瀬すずさん主演の「朝ドラ」内容、モデルは?
2019年4月スタートのNHK連続テレビ小説『なつぞら』。最初の舞台は北海道十勝地方。広瀬すずさん演じるヒロインの「奥原なつ」は、戦争で両親を失った後、十勝に移り住みます。そこで開拓精神や人生において大切なことを学び、高校卒業後に上京し、創成期のアニメ業界に飛び込んで活躍するというお話です。
このドラマは原作がなく、オリジナルストーリー。オリジナルとはいえ、NHKの朝ドラには実在のモデルがいるという場合が多いです。NHKからは、誰をモデルとしているというような発表はありませんでしたが、ネット上では、ヒロイン「奥原なつ」モデルは、故人の「奥山玲子」さんではないかという憶測が出ています。
「奥山玲子」さんは、北海道で育ったというようなことはないようですが、1958年に東映で『白蛇伝』を手がけた後、数多くのアニメ作品を世に送り出しています。まさにアニメの創成期から活躍された方で、年代的にも合っています。
オーディションなしでヒロイン決定は脚本家の意向?
NHKの朝ドラの出演者はオーディションで決めることが多いことでも有名です。最近では、『半分、青い。』の永野芽郁さん、『わろてんか』の葵わかなさんもオーディションで選ばれています。広瀬すずさんの場合は、オーディションなしでの直接のオファーでした。脚本家は出演者をイメージして脚本を書くことがあるそうです。広瀬すずさんのオファーは脚本家の意向だったのでしょうか。
NHKの公式サイトを見てみると、広瀬すずさんにオファーした理由について『なつぞら』の制作統括の磯智明さんはこのように語っています。
「戦災孤児」「北海道」「アニメーション」という3つのキーワードをもつ遠大な物語を、演技力とリアリティーをもって演じきれる女優は今、広瀬すずさんしかいないと当初から考えていました。
脚本家の意向ではなく、制作統括の磯智明さんの意向だったようです。「広瀬すずさんしかいない」というほどの強い思いがあったのなら、オーディションではなく、直接オファーになったというのもわかります。
『なつぞら』脚本家の大森寿美男さんは、このように語っています。
ヒロイン・奥原なつは、戦争によって両親を失い、兄妹とも生き別れとなり、ある縁あって、北海道に住む養父の一家に育てられることになります。北海道とは、言うまでもなく、多くは明治の時代から開拓者によって切り拓かれた大地です。なつは、その開拓者の影響を受け、自らも開拓精神を養いながら育ってゆきます。そして、やがてはアニメーションという、まだ荒野の世界に足を踏み出してゆくのです。大空と大地で育まれた身体能力と想像力を駆使して。
そんな雄大なスケールを、「広瀬すず」という稀代のヒロインに重ねたいと思いました。この作品のテーマは、ズバリ『開拓』と『未来へのつながり』です。朝ドラの長い歴史にも思いを馳せつつ、想像もつかない未来に向かって、広瀬すずさんの背中をググッと押し出せるような物語を大切に育んでゆきます。
広瀬すずさんの起用を決めたのは、制作統括ですが、脚本の大森寿美男さんも、広瀬すずさんをかなり意識して書いていることがわかります。「稀代のヒロイン」という表現から、大森寿美男さんも「広瀬すずさんしかいない」というような思いを持っていたのかもしれません。
大森寿美男さんは、「朝ドラ」の脚本は2003年の『てるてる家族』に続いて2回目ですが、『悼む人』『精霊の守り人』『大河ドラマ 風林火山』などを手がけています。『泥棒家族』『トトの世界〜最後の野生児〜』では、史上最年少で「向田邦子賞」を受賞したという実力の持ち主。100回記念の朝ドラにふさわしい方だと思います。この脚本家が思い入れを持って書かれたドラマ『なつぞら』。本当に楽しみです。
広瀬すずさんが「嫌いだから見ない」の声?
制作統括の直接オファーで、広瀬すずさんがヒロインに決まった『なつぞら』ですが、ネット上では「広瀬すずさんが好きではないので見ない」という声も見られます。
今や映画、ドラマ、CMなどで大人気の女優、広瀬すずさんですが、「嫌われ女優」と言われるようになったきっかけがあります。2015年に出演した『とんねるずのみなさんのおかげでした』の『食わず嫌い王決定戦』というコーナーでした。
その中のトークで、スタッフの照明さんについて「生まれてきて、なんでこの仕事につこうと思ったんだろう」と言い、音声さんについては「なんで役者さんたちの声をとることに人生をかけているんだろう」「本当に声を録るだけでいいの?」という発言をして「女優ができるのはスタッフのおかげだろう」「仕事をバカにしている」と大炎上しました。
炎上事件の後、広瀬すずさんはSNSで謝罪しましたが、一度ついてしまったイメージはそれだけで払拭できるものではありません。当時は「広瀬すずが嫌い」という声が多く、すっかり「嫌われ女優」となってしまいました。
しかし、その後、主演した映画『ちはやふる』が大ヒット。優秀主演女優賞を受賞し、映画『怒り』で優秀助演女優賞を受賞するなど、大活躍を続けるうちに、「広瀬すずさんが嫌い」という声は小さくなっていきました。今や、そんなことはなかったことのように、すっかり人気女優となっています。
今回の「朝ドラ」についても、「見ない」という声よりも、これは「見ないと」という好意的な声のほうが圧倒的に多いです。普段「朝ドラ」を見ない人でも、今回は見ると宣言している人もいるので、大ヒット作になるかもしれませんね。
まとめ
- 100回記念の朝ドラ「なつぞら」に広瀬すずさんが、オーディションなしで抜擢されたのは、脚本家ではなく、制作統括の磯智明さんの意向。脚本家の大森寿美男さんも広瀬すずさんを意識して書いている。
- ネット上には「広瀬すずさんが嫌いだから見ない」というような声もあったが、「見たい」という好意的な声のほうが圧倒的に多かった。
『なつぞら』は、連続テレビ小説100回記念。NHKとしても絶対に失敗できない作品です。広瀬すずさんが作品のイメージにピッタリでも、制作統括の人が「広瀬すずさんしかいない」とプッシュしても、もし広瀬すずさんが「嫌われ女優」のままであったら、ヒロインに選ばれることはなかったでしょう。アンチが多ければ「嫌いだから見ない」という空気が広がりかねません。
今回、広瀬すずさんが100回記念作品のヒロインに選ばれたということは、「嫌われ女優」というイメージを払拭できたという証拠でしょう。どちらかといえば、若い人に人気の広瀬すずさんですが、朝ドラ主演で、多くの年齢層に浸透していくことでしょう。「朝ドラ」をステップとして、更なる活躍を期待します。
以上「広瀬すず「朝ドラ」決定も、嫌い見ないの声!?オーディションなしは脚本家の意向?」でした。